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『風林火山』(ふうりんかざん)は、井上靖の長編小説。1953年(昭和28年)10月から翌年12月にかけて『小説新潮』に15回にわたって連載された。単行本は1955年新潮社刊。同時期には並行して多くの連載や短編を手がけている。 1951年(昭和26年)に毎日新聞社を退社して作家生活に入った井上の初期の中編で、『甲陽軍鑑』に登場する甲斐国武田信玄に仕えた足軽大将で、軍師的なイメージで語られる山本勘助を描く歴史小説である。山本勘助については戦後の研究で架空の人物とする説が成立していたが、1969年(昭和44年)に『市河文書』の発見で実在性が確定した。それまでは伝説的人物として存在が疑問視されており、井上靖自身も史実性を疑っている。 創作ノートなど作品に関する文学資料は神奈川近代文学館に所蔵されている。 ==あらすじ== 参州牛窪出身の浪人山本勘助は駿河今川家への士官を望んでいたが容れられず、今川家臣の庵原家に奇遇していた。勘助は甲斐武田家への士官を望み、同じく浪人の青木大膳に武田家臣板垣駿河守を襲撃させ、板垣を助けると同時に大膳をも始末し、武田家士官の糸口をつかんだ。 武田家中においては宿老甘利備前守など勘助を疎むものもいたが、父信虎を追放した青年国主晴信(信玄)に重用され、まもなく行われた諏訪侵攻に際しては諏訪領主諏訪頼重との和睦を進言し、さらに晴信の意中を察して頼重を謀殺する。諏訪平定に際して乗り込んだ高島城では頼重の娘由布姫〔「由布姫」は武田信玄の側室諏訪御料人に相当するが、実名は不明。井上靖は本作の執筆を大分県湯布院で行っており、井上靖と親交のあった新田次郎の証言に拠れば、作中における仮名はそれに由来するという(平山優「山本勘助論」『山梨学院生涯学習センター研究報告(やまなし学シリーズ⑤)第22集』)。〕と出会う。自害を拒む気丈さに打たれた勘助は姫を助け、武田と諏訪の宥和のため姫を晴信の側室にする。やがて晴信と姫の間には四郎(勝頼)が生まれ、勘助は自らが心から仕える晴信と姫のため、信濃攻略に専念する。 やがて姫は病死し、信濃攻略において武田は村上義清を駆逐して越後の上杉謙信と対峙する。勘助は密かに勝頼を次期当主とすることを望みつつ、川中島の戦いが近づいてくる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「風林火山 (小説)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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